
11月20日(土) Workshop Gのご報告 (Report)
「国際寮の拡充に向けた協働体制づくり そのチャレンジと可能性」報告書 発表者 阿部仁(一橋大学 国際委教育交流センター 准教授) 植松希世子(横浜国立大学 国際戦略推進機構 特任助教) 北澤泰子(麗澤大学 教務・教育企画室 主任) 本ワークショップでは、職員・教員・学生の視点から意見交換を行い、国際寮運営におけるビジョンの策定方法を学び、そして国際寮運営担当者に求められる役割・意義を再確認するといったプロセスを、参加型アクティビティを通じて習得することを目的として行われました。 1つ目のグループワークでは、「国際寮のメリット」について、①寮・大学にとって、②(RAを含めた)寮生にとってという2つの軸で議論がなされました。結果、国際寮のメリットとしてはグローバルマインドの育成、人間的成長、国際交流の推進、大学への貢献の4つのカテゴリーに集約されました。2つ目のグループワークでは、「課題を誰が主体となって検討すべきか」という目的のもと、①事務部門、②学生スタッフ・RA、③教員の3つに分類する作業が行われました。ここでは、課題の多くはオーバーラップしており、協同して解決していく必要性が明確になりました。3つ目のグループワークでは、行動計画的アプローチとあるべき姿アプローチという2つのビジョンの相違点、そしてビジョンを表現するポイントの解説をもとに①教員・宿舎アドバイザー、②事務・運営部門、③学生スタッフの3つの立場に分かれてそれぞれのビジョン作成が行われました。最後のグループワークでは、参加者が各々の立場からの重要課題とビジョンの照らし合わせを行いました。ビジョンと現状との間にギャップが生じている課題に対して、ビジョンの見直し、課題への働きかけ、連携の模索、あるいは一度距離を置くといった4つの方向性が示されました。 今回のセッションで体験したプロセスを活用して、参加者ひとりひとりが現場において国際寮推進の協働体制づくりを推進していくことを願います。 報告者 成毛楓(東洋大学国際学部)

11月20日(土) Workshop Hのご報告 (Report)
“Principles and Practices for Enhancing Intercultural and International Experiences in COIL Courses”のご報告 発表者 Speakers Keiko IKEDA (Kansai University) Elvita WIAHSI (Kansai University) Sajjad POUROMID (Kansai University) Don BYSOUTH (Kansai University) Jiuyan WU (Kansai University) SIIEJ 2021 Workshop H: Principles and Practices for Enhancing Intercultural and International Experiences in COIL Courses conducted by Professor Keiko Ikeda …

11月20日(土) Workshop Jのご報告 (Report)
「『国際共修』で新時代を切り拓こう」報告書 発表者 末松和子(東北大学 教授) 北出慶子(立命館大学 教授) 村田晶子(法政大学 教授) 尾中夏美(岩手大学 教授) 黒田千晴(神戸大学 准教授) 水松巳奈(東洋大学 講師) 渡部留美(東北大学 准教授) 留学生と国内学生がともに学び合う「国際共修」をテーマに、その研究と実践を牽引する国内6大学7名のファシリテーターが登壇し、オンライン国際共修の価値と課題について活発な議論が繰り広げられました。 本ワークショップでは、国際共修の設計・運営に関わる観点別に4つのグループが編成され、参加者によるプロジェクトを中心に意見交換が展開されました。各グループ1つの授業を具体的に設定し、そのクラスの中で起こりうる課題とそれに対する工夫を検討するという内容です。例えば、学生の多様性への配慮とその活かし方をテーマとしたグループでは、留学生と国内学生のコミュニケーション・スタイルや学習経験などの違いに言及しつつ、そうした多様性は国内学生の中にも、生活の基盤である地域社会にも確かに存在するものであることを指摘しました。私たちが日頃からダイナミクスの中に生きているという気づきを与え、そしてそれを自己のメタ認知につなげるため、授業内での自己表現の機会を増やすという仕掛けが提案されています。また、国際共修における多様な形態を考察したグループでは、外部団体の活用に議論が発展しました。継続的かつ互恵的な外部との連携は、多くの関係者が関心を寄せているようです。同一の目的のもと、個々の経験を持ち寄り、専門や立場を超えて意見を交わす体験は、まさに「共修」そのものであったといえるでしょう。 最後に、各グループの協働の成果と参加者の学びが共有されました。多様な価値観の中で「異」への対応力を涵養する国際共修を用いた授業・プログラムは、グローバル社会の縮図として考えられます。そのため、教員自身が世の趨勢に対するセンシティビティを高め、意味ある授業を創造的にデザインして推進する必要があると指摘されました。それに係るICTツールの活用や人的支援(TA・サポーター)の充足に必要な費用の問題を克服するとともに、より充実した全学的な取り組みへと展開させていくため、まずは学内の隅々にまで国際共修の意義を伝えていきたいとの声もあがっています。そして、「課題やプラクティスを共有できる仲間に出会えて安心した」という意見も多く聞かれました。コロナ禍で国際教育全体が転換点を迎える中、国際共修も多くの変化を迫られ、授業実践者・支援者は日々より良い方法を模索し続けています。志を同じくする参加者が出会い、今後の相互支援につながる豊かなネットワークを構築できたことは、何より貴重なものであったと考えられます。 国際共修は駆け出しの教育手法であるからこそ、既存の枠組みにとらわれない自由な発想が歓迎されることでしょう。ウィズコロナ・ポストコロナにおける国際教育の光を感じる、心震える学びの機会となりました。 報告者 湊洵菜(東北大学文学部)