海外留学をめぐる階層格差と社会的公正―国際教育交流担当者の役割を考える
Date/Time: 8月7日 (水) Wed, Aug 7 (10:40-12:00)実施方法 Method of Presentation: 対面 / Face to face
Language: 日本語 Japanese
Pre-assignment: なし / None
備考/Remarks: なし / None
Abstract 概要
2000年代後半の日本人留学者数の減少を契機として、日本社会では「グローバル人材」の育成が目指されるようになりました。各大学では数値目標の設定や留学プログラムの開発など、留学促進を目指した様々な取り組みが実施されていることかと思います。こうしたなかで、意欲さえあれば「誰でも留学できるようになった」という「留学の大衆化」はますます自明視されるようになっています。
一方で、日本を除くほぼすべての国や地域では、留学意欲・経験と家庭環境が密接に関連していることが明らかにされています。それでは、日本人の海外留学にはいかなる格差が、なぜ、存在しているのでしょうか。また、現代の日本社会において、社会的・学術的にも格差や貧困、不平等に対する注目が高まっているなかで、大学における国際教育交流担当者はいかなる役割が求められているのでしょうか。
本セッションでは、私がこれまで取り組んできた研究から、日本人の留学をめぐる格差の実態やそのメカニズムをご紹介します。そのうえで、留学をめぐる階層格差と社会的公正という観点から、大学としての対応や国際教育交流担当者に求められる役割について、参加者のみなさまと一緒に考えたいと思います。
Speakers 発表者:
太田 知彩 Kazusa OTA立教大学大学教育開発・支援センター 助教
Assistant Professor, Center for Development and Support of Higher Education, Rikkyo University