Session 4


コロナ禍における大学間交換留学プログラムの変容と未来への展望

Date/Time: 7月20日 (木) Thu, Jul 20(10:40-12:00)
実施方法 Method of Presentation: 対面 / Face to face
Language: 日本語 Japanese
Pre-assignment:


Abstract 概要


本セッションは、日本の高等教育機関がコロナ禍に対応する中で生じた大学間交換留学プログラムの変容を確認した後、現在地点を分析し、機関担当者の相互の情報共有の機会にすることを目的としています。コロナ禍の混乱により、大学間交換留学プログラムは大幅なプログラムのキャンセルや延期が行われ、国内外の留学生の学術的・文化的経験の選択肢と可能性に深刻な影響を与えました。しかし、その中でも日本を含む世界中の高等教育機関は迅速に適応し、例えば、学生が物理的な移動を伴わない形で交換留学プログラムに参加できるよう、新しい種類のプログラムが開発されました。具体的な大きな変化の一つは、オンラインまたはハイブリッド交換留学プログラムへのシフトです。これにより、渡航をしなくても世界中の他機関の学生と学習や交流ができるようになりました。異なる所属機関の学生が相互にパートナーやチームを編成し、リモートで共同プロジェクトを行うようなCollaborative Online International Learning (COIL)プログラムを多くの機関が開発しました。これらのプログラムは、コロナ禍における身体的な渡航に伴うリスクを最小限に抑えつつ、交換留学プログラムのエッセンスを維持するのに成功したと言えるでしょう。
 交換留学プログラムにおけるコロナ禍の影響は深刻でしたが、高等教育機関や関連機関はその経験から多くのことを学びました。例えば、緊急時の学内方針立案の経験を通して将来の感染症の急拡大に対処する基本的体制を確立することになり、また、オンライン教育スキルとその環境改善に注力したことで、新たな教育の実践方法の選択肢を得て多様な交換留学プログラムを提供することができるようになりました。
 このセッションでは、国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B) 研究代表: 近藤佐知彦)「大学間教育交流のニューノーマル:各種プログラムの再定義」の一環として現在の交換留学プログラムの状況を再分析し、今後のプログラムの発展について情報交換、意見共有をする予定です。参加者との情報交換では、ポストコロナ禍の大学間交換留学プログラムの特徴やその課題について掘り下げます。この情報交換では、交換留学プログラムを改善しより良い教育的経験を提供するための新しいアイデアや戦略を生み出すための議論の機会となるでしょう。
 交換留学プログラムは、学生が母国とは異なる文化や国境を超えて学び、成長するための重要な機会であり、世界がグローバル化する中でますます重要性が高まっています。日本を含む多くの国々が、より革新的で多様な留学生交換プログラムを実施することで、より良い教育的経験を提供し、世界をより良い場所にしていくことに貢献できると考えています。



Speakers 発表者:

近藤 佐知彦 Sachihiko KONDO
大阪大学国際教育交流センター 教授
Professor, Center for International Education and Exchange, Osaka University
末松 和子 Kazuko SUEMATSU
東北大学 副理事、高度教養教育・学生支援機構 教授
Associate Executive Vice President, Professor, Institute for Excellence in Higher Education, Tohoku University
櫻井 勇介 Yusuke SAKURAI
広島大学教育学習支援センター 准教授
Associate Professor, Center for Academic Practice and Resources, Hiroshima University