「英語で入学した留学生のキャリアサポートへの挑戦」報告書
発表者
飯田友希 (一般社団法人日本国際化推進協会・留学生サポート部 部長)
河瀬恵子 (横浜市立大学・留学生就職支援コーディネーター)
片垣麻理子 (北海道大学・人材育成本部 特任助教)
本セッションでは、近年増加している「英語で単位取得可能なプログラムで学ぶ外国人留学生」の就職支援について3名の講師が登壇し、事例と課題をご紹介いただきました。
始めに飯田講師より、ET(English Track)の留学生の就活活動の課題をご紹介頂きました。主に日本語能力のレベルが異なることにより具体的な支援内容が定まらないことや、日本で就職したいET生の実態が掴みにくいこと、英語で新卒採用をしている企業の実態が掴めていない等の課題が挙げられました。そこで日本国際化推進協会ではET生向けキャリア支援として、伴走型就活支援プログラムを実施されています。こちらは英語で採用をしている企業の実態を知ることを目的として、LinkedInを用いた就職活動体験インターンとなっています。その他にも、ET生の支援をしている大学職員の方向け座談会の開催やYouTubeでの情報発信など様々な形でキャリア支援をなさっています。
続いて、河瀬講師より横浜国立大学・横浜市立大学による留学生就職支援についてご説明頂きました。「ヨコハマ・カナガワ留学生就職支援プログラム」の一環でインターンシップの開拓を行い、本セッションでは製造業・観光業のリモートインターンシップの実践事例をご紹介頂きました。企業開拓者として、文系学生に対しては顕在化していない求人にコミットし、理系学生に対しては専門領域と仕事の接続にコミットする必要性が挙げられました。また、早期の段階からの情報提供の必要性やキャリア支援者の担い手不足も課題となっています。
最後に片垣講師より、北海道大学で博士課程の留学生へのキャリア支援を行っているI-HoPの取り組みについてご紹介頂きました。I-HoPでは、既存の課題自体が間違っているのではないかという意識のもと、日本語不要で採用する企業が少ないといった課題に対して、博士と企業の英語によるマッチングイベントの開催や、受け入れようとしない日本企業に非があるといった課題に対して、企業側の事情を調査する等の取り組みがなされています。今後は従来の取り組みを継続するとともに、母国を含む海外のキャリアやOBとのネットワークを活用したサポート体制を構築していくとお話しなさっていました。
報告者
成毛 楓(東洋大学国際学部)
北原 シムラン(名古屋大学法学部)