Workshop C

留学効果の客観的測定とその応用
Assessment of Study Abroad Programme Outcome, and Beyond

定員 Capacity: 定員なし No Limit

Abstract 概要:
このワークショップでは、BEVI、SRSA、JAOS留学アセスメントテストの3つのテストを、参加者に事前に受けていただき、SIIEJワークショップでは、そのデータをもとに、3つのテスト(SRSA,JAOS留学アセスメントテスト、BEVI)で分析結果を比較できるよう企画しています。

2019年10月にJASSO東京国際交流館で行われた国際シンポジウム「海外留学の客観的効果測定」においても紹介した、我が国において利用可能な、留学効果測定テストのより詳細な説明を行うとともに、その結果をどのようにプログラム開発・実施、教育的介入、学生サポートに利用できるかの具体例を紹介する。周知のとおり、近年の派遣プログラムは,短期プログラムを中心に実施されており、その割合は増々増加している。例えば2017年度では、64%の学生が1ヶ月未満のプログラムで派遣されており、3ヶ月未満のプログラムを合算すると8割弱の学生が短期プログラムにより派遣されている。他方6ヶ月以上の留学学生数は過去5年間ほとんど増加していない。このように、短期のプログラムが各大学・学生にとって主流となっていることが明らかになる。
JASSO「海外留学奨学金 - 海外留学支援制度」では、「プログラム参加学生の派遣前、派遣後の効果測定や意識の変化の把握状況、参加学生・不参加学生の比較調査等」成果確認を求められている。また、政策決定においても、「データに基づく検証」(EBPM)の重要性は近年とくに強調され、海外の大学では、客観的データを活用した教育プログラムの評価が、広く用いられるようになってきている。

他方、我が国においては、これまで各大学は、プログラム終了後、それが長期であろうと短期であろうと、各種アンケートまた満足度調査といった、主観的・定性的調査を主として用いて成果確認を実施してきた。他方これに対しては、プログラム実施後の主観的調査により、留学プログラムによる学生への変化を測定できるのか、また留学プログラムの評価を行うことができるのかについては、疑問が呈されてはいるが、これまで我が国で行われた大規模調査では主観的評価を用いたものが大部分である。

このような結果、長期プログラムのほうが、より高い「効果」を挙げるとして、2020年度より、短期プログラムへのJASSO奨学金が大幅に削減されたところである。
短期また長期に関わらず、参加学生のアウトカム等の客観的測定が必要とされており、すでにこのような「学び・変化」の客観的測定を行うテストは、複数開発され、各大学での導入が進んでいる。
本セッションでは、評価に関わる基本的な課題・問題点を明らかにした上で、現時点で利用可能な各種の評価ツール(SRSA、BEVI、JAOS留学アセスメントテスト)の特徴またその測定結果を紹介する。同時に、このようなテスト結果を利用した、より「効果的な」留学プログラムの構築、プログラムのPDCA、事前・事後プログラムにおける教育的介入、留学サポートへの応用についても実例紹介をおこない、効果測定・評価に関わる課題について意見交換を行う。

Speakers 発表者:

西谷 元
広島大学・副理事(SGU) 教授

赤松 茂利
早稲田大学・国際部国際課

橋上 愛子
東京海上日動メディカルサービス株式会社・健康プロモーション事業部

星野 達彦
一般社団法人海外留学協議会 (JAOS) 理事・事務局長

小早川 裕子
東洋大学・国際教育センター副センター長/准教授

星 洋
一般社団法人行動特性研究所 所長