10月23日 | Session M

国際教育交流におけるリスク・コミュニケーション
Risk Communication in International Education

Date/Time: 10/23 14:40-16:00 (80min)
Capacity 定員: 50 定員オーバー/Over Capacity
Language: 日本語 Japanese
Target level: 全レベル All levels
Format of presentation: プレゼンテーションとディスカッション
Pre-assignment: -

Abstract 概要

今日、私たちの社会には犯罪・テロ、事故、災害、健康問題、食品問題等、さまざまなリスクが存在する。そしてこれらのリスクに適切に対処するためには、予めリスクを評価し、対応を検討する必要があるが、そのすべてのプロセスにおいてステークホルダー(関与者)間のコミュニケーション、「リスク・コミュニケーション」が重要であるといわれている。

私たちが取り組む国際教育交流も多様なリスクをはらんでいる。これらのリスクに対応するため、これまで多くの組織では、主に事案発生に備えた危機管理体制の構築が検討されてきたと思われる。だが、コロナ禍を経験した今、国際教育交流プログラムの運営に「リスク・コミュニケーション」の視点を取り入れることで、よりよいプログラム構築ができるのではないか。

フィールドワークや留学などの国際教育交流においては、「リスク・コミュニケーション」を通して、①教育プログラムを提供する側と受け取る側の双方が「リスク」について対話を重ねることで、リスクを軽減するだけでなく、②「リスク」自体を学びに取り入れ、教育面においても効果を期待することができると考える。

本セッションでは、新型コロナウイルス感染症だけでなく、その他の感染症や疾病、事故や政情不安、自然災害、盗難といった様々なリスクに対して、どのようにリスクを評価しながら、リスク・コミュニケーションを展開して国際教育交流を推進していくのか、複数の事例とともに報告する。また参加者との意見交換を通して、国際教育交流の新たな可能性を見出すことを目的としている。

本セッションを担当するのは、大学教育における「海外体験学習」研究会(以下、JOELN)メンバーである。JOELNは2004年に結成され、大学教育における海外体験学習に関して、内容・方法、教育成果の評価方法などとともに、プログラムにおけるリスク管理やリスク・コミュニケーションに関するセッションを年次大会で実施してきた。特に2020年11月に実施されたJOELN年次大会の分科会では、コロナ禍で海外での教育機会が閉ざされる状況の中、どのような条件であれば海外派遣プログラムが実施できるのか、大学教職員らが議論を重ね、その後、2021年3月に『コロナ禍における「海外体験学習」再開のためのガイドライン作成に向けた提言』を刊行した。

本セッションで予定する内容は以下のとおりである。
■ 企画者からの報告
1. 国際教育交流におけるリスク・コミュニケーションとステークホルダー(関与者)とは何か
2. 学生/保証人/受け入れ先などステークホルダーと大学およびステークホルダー間のリスク・コ
ミュニケーション
3. プログラム実施前/実施中/実施後の各段階におけるリスク・コミュニケーションのあり方(事
例より)
■質疑応答/参加者とともに意見交換


Speakers 発表者

齋藤 百合子 Yuriko SAITO
大東文化大学 国際関係学部 特任教授・大学教育における「海外体験学習」研究会 運営委員
Member of the steering committee, Japan Overseas Experiential Learning Network, Faculty of International Studies, Daito Bunka University

辻田 歩 Ayumi TSUJITA
大学教育における「海外体験学習」研究会 運営委員
Member of the steering committee, Japan Overseas Experiential Learning Network