8月26日 | Session D

留学生30万人計画のレビューとポスト30万人の展望と課題
Review of 300,000 International Students Plan and Prospects and Challenges for the Post-300,000 era

Date/Time: 8/26 10:40-12:00 (80min)
Capacity: 100
Language: 日本語 Japanese
Target level: 全レベル All levels
Format of presentation: プレゼンテーションとディスカッション
Pre-assignment: あり Yes 

関連論文として以下を読んでおくことをお勧めします。
二子石 優 (2021)「留学生30万人計画の達成とその実情を探る:留学生の入学経路と卒業 後進路に関する一考察」『留学交流』120: 42-60.

Abstract 概要

本セッションは、留学生30万人計画について振り返り、ポスト30万人に向けた留学生受入れの展望と課題を各参加者の所属する教育機関で考えられるよう整理することを目的としています。
留学生30万人計画は、2019年に留学生総数が312,214人となったことで、数値目標は1年前倒しで達成されましたが、それは専修学校と日本語学校での大幅な留学生増加によってもたらされたと言えます。一方、留学生の不法就労や失踪及び留学生を受入れる教育機関の不正な在籍管理等、留学生受入れ10万人計画時代と同じ問題が30万人計画でも繰り返されてきたことは、ポスト30万人計画に向けた大きな政策課題となっています。この問題を考える際、留学生がどのような入学・進学の経路をたどっているのか、卒業・修了後にはどのような進路を取っているのかを分析する意義は大きく、それにより政策の理念・意図と留学生を受入れる現場での実践との間の齟齬や乖離が見えてきます。
そこで、本セッションではまず留学生30万人計画の政策的レビューを行います。そのうえで、留学生1年生(新入学者)の入進学直前在籍機関を集計した日本学生支援機構統計資料「入進学直前在籍機関からの外国人留学生入進学者数」(日本学生支援機構提供資料)及び、進路状況を集計した日本学生支援機構統計資料『外国人留学生進路状況・学位授与状況調査結果』の2つの資料を中心に、留学生の入学経路と卒業後の経路についてデータ分析をもとに解説します。その後、いくつかの論点に絞り参加者とのディスカッションを通して、ポスト30万人計画に向けた留学生受入れの展望と課題について考察を深めていきます。具体的には、日本語教育機関と大学との連携、三大都市圏における定員管理の厳格化の影響、留学生の定員問題、留学生に対する就職支援等に関して議論をしたいと考えています。
 本セッションは、外国人留学生受入れや留学生教育・日本語教育に携わっている教職員を対象としますが、現在、それらに携わってない方であっても、興味、関心があれば参加できるよう内容を配慮します。ポスト30万人計画において、それぞれの参加者が所属する教育機関でどのように留学生を受け入れていくかについて検討する際の一助となることを目指します。


Speakers 発表者:

太田浩 Hiroshi OTA
一橋大学 教授
Professor, Hitotsubashi University

二子石優 Yu FUTAGOISHI
一橋大学 博士後期課程
Doctoral Student, Hitotsubashi University