8月27日(金) Workshop Eのご報告 (Report)

「国際化は誰のために、何のために進めるのか?―国際化評価指標から考える―」報告書

発表者(発表順)
太田 浩 (一橋大学)
渡部 由紀(東北大学)

本ワークショップでは、各大学の国際化の現状を振り返りながら、大学の国際化のあり方とその評価について理解を深めることを目的として行われた。

まず初めに渡部氏より、高等教育の国際化の定義とそれに関わる概念についてレクチャーして頂きました。

その後、第一部のディスカッションでは、事前課題でご回答いただいた各大学の国際化の目的と戦略について議論し、アジアの調査の結果と比較しました。ディスカッションの内容としては、各大学の国際化の目的・戦略・評価方法の3点です。第二部では、53指標の中から重要度が高い国際化評価指標を5つ、重要度が低い指標を3つ、それぞれのグループごとに選出して頂き、国際化を強化するためにはどのような指標が有効なのか議論しました。全ての回答において、SIIEJワークショップ参加者、アジアの各大学の調査結果、そしてSGU内においてもタイプAとタイプBの間には結果に違いが生じました。これらの理由には、各大学や各国における状況により、国際化の目的や戦略に差異が生じること、また現場で働く方々と各大学の執行部との間に、目的や戦略の齟齬が生じていることが示唆できます。

最後に、太田氏よりEBPMとロジック・モデルについてご講演を頂いた。証拠に基づく政策立案(EBPM)の重要性と限界、ロジック・モデル内の「アウトプット」と「アウトカム」の識別や有効性、ロジック・モデルの事例等をご紹介して頂きました。まとめとして、全ての大学に通じる国際化のモデルは存在せず、ゴールは各大学が描き、独自のやり方で推進すべきとの意見を頂戴しました。

報告者
成毛楓(東洋大学国際学部)