8月27日(金) Workshop Cのご報告 (Report)

「客観的測定の結果の活用:グッドプラクティスの紹介」報告書

発表者
西谷元 (広島大学)
東矢光代 (琉球大学)
小早川裕子 (東洋大学)
蒙韫(韞)(新潟大学)
吉田千春(中央大学)
中村絵里(千葉大学)
横井幸子(大阪大学)
中野遼子(大阪大学)
エィミーウィルソン(山口県立大学)

 8月27日(金)に開催された本ワークショップの目的は、BEVIが各大学でどのように活用されているのかを報告していただくことでした。現在BEVIは30もの大学で利用されていますが、今回はBEVIを実際に利用した8大学から、BEVIを活用した調査・研究内容とその結果、今後の課題についてお話をいただきました。

 BEVIは28項目の背景情報と185項目の質問項目があり、グループ間での比較、個人の比較、性別といったように大きい分野から小さい分野までさまざまな種類のもと分析ができるという利便性があり、この利便性は国際的な研究においても大いに役立ったことが見受けられました。

 BEVIを実施することで、海外志向が強い学生同士でも一部には多様な文化や価値観の受け入れに高低の差があったという新たな発見があり、海外志向の学生が必ずしも異文化や価値観の受け入れに肯定的ではないことが分かりました。性別の違いからは、比較的女性の方が、海外志向が高いという結果もあり、比較調査において結果が見えやすい種類であると考えられました。また理系と文系という違いにおいても、グローバル・コンピテンシーの違いが明確に分かりました。こういった調査や研究結果から、グループ内での活動の組み合わせやグローバルへの関心を持つ方策の提案、プログラム改善に役立てることができるとの考えがありました。詳細な検証が行えるからこそ、学生の考えを、BEVIを通して知ることができ、教育研究において便利で有効なツールになるとのことでした。BEVIと独自のアンケートも組み合わせた調査も行うことで、より深い研究が行えるのではないかという意見もありました。一方で、課題もあげられました。受検時間に30分を要し手間がかかるというデメリットです。このデメリットのなくすためにどうしていくべきか、今後も話し合っていくことが必要になるだろうとのことでした。

 このワークショップを通し、BEVIという分析ツールをはじめて知りました。細かいデータが収集できることは、正確な調査にもつながるという点において必要な研究方法だと思いました。なによりも、BEVIを通し、自分は他の人と比べどのような考えなのか、なにが違うのかというように、自分を知るきっかけになるのが収穫だと思いました。自分にとってのメリットになることを多くの人に知ってもらうために、学科全体として取り組むことや正しい指導、フィードバックが重要になっていくと私は考えました。もっと多くの人々に知ってもらう機会が増えることを期待しています。

報告者
赤尾菜々実(東洋大学国際学部国際地域学科)